膵臓がんは、体の中でも最も見つけるのが難しいと言われています。膵臓は胃の後ろにあり、幅約15cmくらいの横に長い形をした器官です。主な役割として、消化を助ける膵液を作る、インスリンなどの血糖値のコントロールに関係するホルモンを分泌する、という2つの作用があります。膵臓がんが生じるのは、主に膵臓内にある膵液が通る膵管という箇所です。
ここのがんは悪性のものが多いです。人間ドックでも見つけるのが非常に難しいと言われていますが、定期的に検査することで、異常を発見できる確率を上げることが出来ます。人間ドックで行われる膵臓の検査として、超音波検査(エコー)とCT検査が主流です。その他には、内視鏡検査や血液検査があります。
エコー検査は、検査に伴う被曝や痛みのリスクが低いのがメリットです。ただし、小さいがん細胞の発見には不向きです。CT検査はがんの大きさや周囲への進展を調べることが出来ます。膵臓がんの検査では欠かせない検査です。
血管の中に造影剤を注入して調べる造営CT検査では、がん細胞が血管に派生していないかを調べることも出来ます。血液検査では、膵臓から分泌されている酵素を調べて、異常がないかどうかを確認します。主に、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ、という酵素を調べます。ただ、酵素は膵臓がん以外の原因でも異常値を示すことがあるので、これだけで判断することは出来ません。
人間ドックで膵臓を調べておくことは、膵臓がんの予防に最も大切なことです。