人間ドックを受診するのならば、毎年同じ時期に受診するのが効果的です。何故なら、人間ドックを受診する目的は、ガンや生活習慣病等の病気を早期に発見することにあり、そのためには、受診した時の身体の状態と同様に、過去に受診した時と現在との体の状態の違いも重要だからです。過去の状態と見比べることにより、体の状態が時間的にどのように変化しているかが分かります。例えば中性脂肪が基準値よりも多めだったという検査結果が出た場合、それはもっと悪い状態から改善しているのか、それとも良い状態から悪化しているのか、1回の検査だけではわかりません。
一般的に、生活習慣病は生活習慣の乱れにより、10年単位の期間を経て発病する病気です。従って、生活習慣病になりそうな場合には、毎年の検査データを見ることによって、その傾向を掴むことができ、医師はより適切な治療や生活習慣の改善のための指導を行うことができます。或いは過去のデータでは何もなかった場所に小さな腫瘍が発生していれば、ガンを疑うことができて、精密検査を受診することができます。もしも初めて受診したのならば、その腫瘍は見逃されていた可能性もあります。
人間ドックで過去の状態と比較して、現在の身体の状態がどのように変化しつつあるのかを判断するためには、過去に受診した際のデータが必要となります。従って、可能な限り同じ医療機関で受診することが望ましいのです。引っ越しなどで同じ医療機関で受診することが困難な場合には、医療機関に相談して、引っ越し先の医療機関に過去の受診結果が引き継げるように手配することも大切です。