日本人がかかりやすいがんを死亡者数別にみると、1位のものから順に肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、すい臓がんとなります。こうしたがんのなかには、初期のころには自覚症状をともなわず、気づいたときには手遅れといったものも少なくはありません。そこで、人間ドックでは、こうした上位項目にあるがんを中心とした検査メニューを揃えている病院が多くみられます。なかには1日コースなどの基本となる人間ドックのメニューにプラスして、オプションというかたちで提供されるような検査もあります。
オプションについては、希望によって行う検査となりますので、ふだんの生活から健康上の不安要素になりそうなものを受診者がみずからチョイスすることになります。こうした人間ドックの具体的な検査メニューですが、肺がんについては、胸部レントゲン検査、胸部CT検査、喀痰検査によって、がんであるかどうかがわかります。胃がんについては、胃部レントゲン検査、胃内視鏡検査でわかります。大腸がんについては、大腸内視鏡検査、便潜血検査(検便)によってわかります。
肝臓がんについては、腹部超音波検査、腹部CT検査によってわかります。すい臓については、腹部超音波検査、すい臓MRI検査によってわかります。なお、CTはエックス線撮影の一種で、体内のようすを断層撮影して明らかにするもの、MRIは、強い磁石の力によって体内の画像を撮影するしくみで、ともに似たような装置ではありますが、得意分野に違いがあります。